亜州南溟日記

以前FC2でアジア南溟通信というブログを書いておりましたがコチラへ引越ししました。アジアで沈殿してる中年オヤジです。

皆さんお久しぶりです。5月末にフィリピンを出国してから丸2ヶ月ほど日本に滞在し、大阪のマンスリーマンションを拠点に東北から九州まであちこち旅してきましたが、実は帰り道に香港に寄ってきまして、それは永住権カードの更新のためなんですが、ついでにデモにまで参加してきました。
 
と言ってもヘルメットとゲバ棒を手にシュプレヒコールを叫んだわけではなく、野次馬としてデモ隊に紛れ混んでるうちに(他の参加者が怯んで後退してるせいか)徐々に最前列へと進んでしまい、警官隊はこっちに向かってくるし催涙ガスが目にしみるので横にあるフェリーターミナルへと逃げ込んだら運悪く武装警官に囲まれてしまったのです。

 で、こりゃマズイかな・・と思ったんですが、筆者がデモ隊のシンボルである黒シャツを着てないのと、それと年齢的にだい〜ぶ外れてることから警官たちも「こいつなんか違うぞ」と思ったようで、運良くマカオからフェリーに乗って来たお馬鹿さんツーリストのふりしたところ無事「あっち行け!」と追い払われただけで済みました。
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なお筆者が追い払われてから数十分後に警官隊は一期のデモ隊へと襲いかかったので、もしもあの時にデモ隊から外れて無ければ今頃筆者は額を割られて病院にいるか、あるいは留置場にいたかもしれないのですが、で・・筆者は今自身の身の上を安堵してるのか?というと・・実はそうでもないのだ。 

その昔ロシア出張の前泊でフランクフルトに降り立つや上司から「モスクワで大規模テロが起こったから出張を止めて即刻帰国せよ!」というメールが来ており、ホテルでテレビを見ると劇場が占拠されてる!非常事態です!とアナウンサーが喚き立てていたのだが、で、筆者がどうしたのか?と言うと、そんな命令なんぞ黙殺ですよ、見なかったことにしたの。

 数時間後にガラガラのルフトハンザ機で颯爽とモスクワのシェレメチボ空港へ降り立ち、翌日厳戒態勢の劇場付近を歩いていたのが筆者・・。生まれつき火事と喧嘩と騒動が大好きな性分ゆえ当然ながら香港のデモだって催涙ガスが漂って来ない遠巻きに見ているだけじゃ気が済まないのだ。
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それに筆者は香港人でもあるのだ。27歳の時に香港に駐在をし、一度帰任したけど都合16年間香港に済んだおかげで永住権を頂戴し、香港の選挙権もいただいた身分ゆえ、当然ながら香港人、何より二十代の香港人たちの閉塞感、将来ヘの絶望には共感するんです。 

6年半前にフィリピンに移住してからは2年に一度くらいしか香港に来ないけど、毎回驚かされるのは物価の高さ、特に不動産価格の高騰がもはや異常の上限を突き抜けちゃったことで、東京だと多摩市みたいなうーんと郊外でも30平米のワンルームに6000万円の根がついてるのを見て開いた口が塞がらなくなってしまったのだ。

 筆者がいた頃は結構な中心地でも60平米で5000万円あたりが相場で、郊外なら3000万円出せばその五割増しの大きさの家に住めたのだが、今やその倍額出してもサイズは三分の一・・。これなにかの冗談か?と思ったが、友人たちに確認すると香港中どこもそうだ!と聞いてため息をつくばかりで、香港行政のあまりの無策ぶりに呆れ返ったのだ。
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自由競争がモットーの香港ゆえ低所得者の公営団地というのがもともと極端に少なく、従って親が家持ちでも次男三男に生まれれば8割の人間は一生かかっても家なんか持てず、毎年値上がりする家賃に苦しみ続けるか、あるいは何処か別の国に渡って生きていくしかない、負け犬の人生が待っているわけよ。 

ほんの一握りの富裕層がやりたい放題なのが香港の基本構造で、今回のデモも反中運動の逃亡者引き渡し条例が原因だとか、5年前の雨傘運動の振り返しだとかメディアは騒いでいるが、中国共産党への脅威感は彼らの怒りの上半分だけでしかなく、根底にあるもう半分は生活闘争、行き過ぎたグローバリズムへのアンチテーゼなんざんす。 

なお中国共産党が軍隊を派遣する云々の噂があるし、好きな話題だからここから先ながなが書きたいのだが、実は筆者は今現在とてもバタバタしていて毎日日記を書ける状態じゃないのと、実は今一度デモの参加する予定でいるので、しばらくしたら再度日記を再開することにしますね。で、最後に一言、香港人加油(ガンバレ!香港人)。
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一時日記を休みます。以降は下記URLに移転しますのでヒマがあれば寄ってください。
http://franzfainsan.livedoor.blog/

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パンパンガ州に住むメリーからかつての恋人Mの住所を教えてくれないか?という依頼が来た。このメリーとMは今から20年以上前に香港で出会い、お互い配偶者がいるダブル不倫の関係を続けた挙句に娘キムまでできてしまうのだが、それから21年たった先月このキムに子供が生まれたのである。

 つまりMはお爺ちゃんになったわけだが、生憎とMは昨年3月2日に日本で死んでおり、奇しくもその死を伝える役回りは筆者ら夫妻になってしまったのであるが(詳しくは以前の日記を読んでほしい)、せめてMが住んでいた家に(旧知のフィリピン人「男性」を装って)孫の写真を送りたい!とキムが言っているのだそうだ。

 あれ?オレお前に住所送ったよな?と女房に問いただしたら、実は死んだことだけを伝えて住所は知らせなかった・・と言うのだ。なぜならキムの性格だと泣きながら日本に電話でもかけそうで、一方Mの未亡人はキムの事なぞ何も知らないのだからこれ以上悲しませたくはない・・と配慮したと言うのである。

 ただ実父Mの死を知ってからもう1年がたったし、何より赤ん坊が生まれて気分はそっちの方に傾いているから大丈夫だろう!ということで「○○県××市△△区・・」を英語に直し、ついでにグーグルアースで見えるようにと北緯△△西経■■度まで送ったところ、しばらくすると「本当にこれで正しいのか?」とテレビ電話がかかってきたのね。

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 えっ?なんで?と聞いたところ「だってやけに家が小さいじゃないの!」と言うのだ。経済大国日本のメガバンクの社員で、しかも長年アジア各地に赴任したMなら、そしてベリー・ベリー・スティンジー(すんげえケチ)だったMなら相当カネが溜まったはずで、だからこんな小さい家に住んでいるはずがない!とメリーとキム母子が言い張るのである。

 ちなみにフィリピンは土地や建設費が安いため貧乏人でも案外と大きい家に住んでいるのが普通で、パンパンガ州のド田舎にあるメリーの家も敷地200坪、建坪100坪と外から見る限りは(クーラー無いけど)結構なお屋敷なのだ。だから自分よりはるかに金持ちだったMならもっと大御殿に住んでいる!と思い込んでいたらしい。

 しかしMの年齢を考えると家を買ったのはバブル前だろうけど、しかし日本最高峰の一つ○○市のこの場所なら当時でも坪100万はしたはずで、だから建物がいくらで土地の広さがこれこれだと100万米ドル以上になるから、これは銀行員の年収の〇年分に・・と計算している最中に・・ある明確な答えを見つけたのだ。

 ご存じのおとりグーグルアースはサイズが図れるのだ。で、Mの家は東西15x南北16メートルであり、これちょうど240平米(おおよそ73坪)になるのだけど、相続税で何から何まで自分で調べなきゃならない体験をされた方なら240平米の土地と聞くだけでピン!と来るはずである。

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 そう、これ今は変わったけど数年前まで小規模住宅の特例控除の限度サイズだったんですよ。普段住んでいる土地がとんでもない値段になったところで手持ちの現金が増えるわけじゃないから、相続税をそのまま適用されてしまえば家を売り払うしか(=住み慣れた家から出ていくしか)なくなるわけでしょ。

 そういうのを避けるために「生計を共にしてきた人間がその土地を相続する場合は課税評価額を80%減額する」というのがこの特例措置で、ただもしも250平米の土地ならはみ出た10平米だけは丸ごと課税対象になっちゃうのだけど、Mはこの点を考慮してわざわざ80%減額になる土地を選んで買ったに違いない。

 で、パソコンの向こうにいるメリーとキムにこの240平米の特例措置を説明し、もしも仮に倍のサイズの土地盗んでいれば奥さんは相続税として1500万ペソくらい国庫におさめることになったはずである!と言ったところ二人ともピタッと何も言わなくなり、そしてお互い顔を見合わせて頷いているのね。

 人間自分が死んだ時の税金まで考えて家を買うものだろうか?と誰もが思うけど、ベリー・ベリー・スティンジー(すんげえケチ)なMなら十分あり得るわ・・。これメリー・キム母子とMを知る女房の結論である。それでその後はMもケチぶりについて3人が饒舌に語り出したのだが、その徹底したケチぶりときたら聞いてて・・。まあ死人を悪く書くのは嫌だからここらで止めておきます・・。

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