ドバイに到着したばかりの姪イナから来た「おじさんのウソつき!」というスカイプ電話が来た。実はこのイナ、香港からドバイまでジェットスター航空というインドの航空会社に乗っていて、途中トランジットのためボンベイで3時間ほど過ごすことになる・・と言った時に筆者は一計を案じたのである。

 「うーん、とにかくボンベイ空港じゃ食い物や食べ物を勧められても絶対口にするなよな」という筆者の一言に、それはどういう事なのか?と食いついてきたイナ・・。この24歳の娘は小学生の頃に香港に行って以降は海外に出たことが無いので、それで色々心配だからと中東・インドにしょっちゅう出張してきた筆者に聞いてきたのだ。

 睡眠薬入れられて盗まれるんだよ・・と話している段階ではイナは「ああ、そうなのか」的な表情をしていたが、続いて筆者が言った盗まれるのは財布じゃなくてORGAN TRADEなんだ・・と言うや急に眼を剥くイナ・・。その昔サラリーマン時代に初めて海外出張する同僚を恐怖に陥れた臓器売買シンジケートの話である。

 実はこれはフィラデルフィアだかボルチモアで実際に起こった事件をテーマにしているのだ。ある男性がバーカウンターで呑んでいると隣の席に魅惑の美女が現れて、そして相席よろしいかしら?と絶対断るはずもない申し出を受けるや下心丸出しで口説きにかかったのだが、それから記憶がパッ!と消えてハッ!と気がつくと裏路地に転がっていた・・という話である。

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「なんか体中が痛いな・・と思って服を脱いだら、胴体のあちこちに手術の跡があったんだってよ」と言うくだりで息をのむイナ。もちろん筆者は場所をボンベイ空港へと置き換えていて、しかも被害者は男では無く若い女、だってタバコや酒を嗜む確率が低いから臓器売買シンジケートの格好のターゲットになるのは若い女に決まってるじゃないか・・と補足したのだ。

 もちろん常識で考えれば空港内でそんな事が起こるはずも無いのだが、トランジット利用者はインドに入国してないのでインド警察の管理外にいるだろ・・とか、ターゲットとそっくりの女がボンベイ空港内に用意してあって次のフライトですり替わるのが常套手段らしいぞ!などと思う限りの嘘八百を並べ立てたら・・イナはもの凄く重苦しい表情をするや沈黙してしまったのである・。

 その最後のスカイプ電話から数日たって冒頭の「おじさんのウソつき!」と相成ったわけだが、ボンベイ空港着陸後に異常に緊張した面持ちで施設内に入るイナの姿を想像していたら笑いがこみあげてきてしまい、それで「お前本当に信じてやがったのか!」と大笑いしてやったら、はい・・スカイプ電話はブチッと切れてしまいました。

 12年前に香港に来たお前に「お母さんはパキスタン人の恋人が出来たから、お前は見捨てられて孤児院に行くのだ!」とデマこいて大泣きさせたのを忘れていたようだな。オレはお前みたいな小娘を恐怖のどん底に突き落とすことに無上の喜びとしているのだ。

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