筆者の朝食はいつもインスタントラーメンで、これは香港にいた頃からの習慣である。香港製の出前一丁(日本製は不可)にランチョンミートや手作りギョウザ、ザーサイに炒めたカンクン(空芯菜)やモヤシをトッピングするのだが、この際スープの味付けで重要なのはオイスターソースとごま油、そして今日の日記の主役である干しシイタケだ。

 子供の頃はシイタケなんぞフン!とバカにしていた筆者だが、香港の中華料理屋で一番シンプルなスープ冬菇湯をすするやその美味さにビックリしてしまい、そしてこれが干しシイタケを水で戻した云々とシイタケは日本産がベストなんだ云々を聞いた筆者は以来干しシイタケファンになったのである。

 それで近所の干しアワビとか干しエビなんかの乾物屋に行って日本産冬菇(しかし実際は中国広西チワン族自治区で栽培されているのが多い)のパックを手に取ったのが二十三年前の話で、以来筆者はほぼ毎週2~3回なんらかの形で乾燥シイタケを食べてきたのである。

 で、2年に一度の頻度で訪れる香港で大量に買い込む、マカオに住んでるボーヤの帰省時に運んでもらう、バンコクのチャイナタウンで買い求める等々我が家には干しシイタケが大量にストックされていて、筆者はそれをニンマリ眺めてきたのだが・・先月その価値が大きく下がってしまう出来事があったのだ。

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 ある時冷蔵庫を開けたらすごく良い匂いがするので見てみたら、大きなどんぶりの中に干しシイタケが十個くらい水に浸かっているではないか。その匂いの良さ、強さと言ったら野菜を包む紙袋にまで香りが移ってしまうほどで、こりゃ相当の上物だな?と思った筆者は「こりゃバンコクのチャイナタウンで買ったやつか?」と聞いたら・・・違ったのだ。

 これ今年春先に大阪に2か月滞在した折に女房が天日に干した品だったのである。さすがに日本に干しシイタケを持ち運ぶ気にはならぬから、高槻市のフリマで見つけた若狭産の原木栽培なる代物を食べていのだが、ある時在庫が切れたので女房に「干しシイタケ買ってこい!」と命じたところ、誤って生シイタケを買ってきやがったのである。

 それが三日三晩鍋にしたって食いきれない量であり、捨てるのも勿体ないと思った女房は余った生シイタケをベランダに置いて天日干しし始めたのだ。しかし生憎と季節は5月だから湿気は高いし、雨降りも何日かあったからきっとカビが生えてるに違いない・・と思ってこの女房手製の干しシイタケには一切手を出さなかったのだ。

 ところがその出来損ないがなぜかフィリピンに持ち帰られていて、実に素晴らしい香りを冷蔵庫内に放っている・・。それでそこから2つほど失敬してインスタントラーメンに放り込んでみたところ・・これが・・エッ!と驚くくらい滋味に溢れた、あの香港の中華料理で食べた時と同じくらいの衝撃を受ける逸品へと化けているではないか・・。

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 ちなみに女房が買ってきたのは1パック○百円の特価品で、しかも買ったのは大阪の激安スーパー玉出だからどう考えても中国産のかなり粗悪なシイタケなはずなのだ。それを天神橋商店街の人がわんさか歩いてる通りに面したベランダで干しただけの、人間だと生まれも育ちも悪い娘なはずが・・貴婦人の風格を醸し出しているではないか・・。

 おい!オレの手作り干しシイタケをこんなに沢山水に戻しやがって!(所有権移転宣言)と筆者は女房に詰め寄り、手持ち在庫を全て接収して数量確認したところ普通に食べていれば2か月も持たない・・。それで現在はそれらを半分に切って残りは香港とバンコクで買い求めた別の干しシイタケと混ぜて食べているのだ。

 ネットで調べたらシイタケは天日干しすることによってビタミンや旨味がクンと増すそうだが、現在どの国でもコスト削減と天候に左右されないサプライチェーンなどなど経営上の理由から機械で乾燥させるのがほとんどになっているらしい。つまり女房の手作り干しシイタケは生まれも育ちも悪いけれど一応純正品ではあったという事だ。

 まあこんなこと年配の主婦ならとっくにご存じなんだろうけど、みなさんも騙されたと思って今からスーパーに行って生シイタケを購入し、100円ショップで売ってる干し網を使って干してみてほしい。そして1週間後に水に浸してみれば、そこにはえも知れぬ豊潤な世界があって、その香りと滋味あふれた味覚はあなたを・・。お勧めします。

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