北朝鮮の瀬取りを監視するためイギリス・フランス両国が軍艦を送り込んでいる件を創造した時に、ふと「北京の55日」という映画を思い出した。出演しているのはチャールトンヘストンやエヴァ・ガードナーら当時の大スターで(ついでながら伊丹十三も日本軍将校役で出演している)、テーマは1900年に起こった義和団事件である。

 中国・清を蝕む西欧列強への憤りから愛国心溢れる中国人士たちが蜂起し、首都北京を占領して外国人居留地を包囲してしまったために各国が軍隊を派遣したのだが、しかも清王朝の影の実力者西太后が義和団側について欧米列強に宣戦布告してしまうという致命的なミスをやらかしたのである。

 これ日本の場合だと尊王攘夷を唱えていた幕末の志士が「攘夷」を捨てずにそのまま突き進んでしまったのと同じで、当然ながら「夷」たる欧米列強たちの思惑通りに付け込まれてしまい、西太后の目算とはアベコベにたった55日間で首都北京は陥落してしまったのだ。

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 日清戦争の敗北により清王朝は眠れる虎どころか眠れる豚である事がすでに露呈していた訳で、だから国内で保守派と過激派に分裂している時に対外戦争に踏み切るなど正にキチガイ沙汰でしかない訳だが、結局この中華思想的バカ決断で清王朝は完全に弱体化し、11年後の辛亥革命で滅亡してしまったのだ。

 で、この義和団の乱は中国では庚子事変と呼ぶらしく、なるほどネズミ年の「子」で辛亥革命の「亥」はイノシシ年だから11年後なのだ!と阿呆みたいな事を考えていたら、そういえばアヘン戦争もネズミの年だったような・・と思い出したのだ。筆者は長年香港にいたのでこの戦争関連の記念碑はあちこちで随分見て来たのである。

 それで検索したところビンゴである。しかも1840年って干支の12の動物と陰陽五行の5サイクルが交わる60年サイクルの当たり年、つまり義和団の乱とアヘン戦争って同じ庚子の年ではないか・・。そして直近の過去の庚子の年って1960年にあたるのだが、はい・・筆者と同年齢か上の方ならもうご存知ですよね。

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 1960年は7000万人を餓死させた大躍進運動の真最中であり、加えて共産主義の在り方をめぐってソ連フルシチョフとの決裂が決定的になった年、中ソ対立の萌芽が出始めた年なのだ。この結果中国は毛沢東狂信派と劉少奇ら実権派に分裂し、数年後の文化大革命で壊滅的な事態になってしまうのである。

 庚子の年は対外戦争の年、内部分裂の年、そして国家破壊へと踏み出す年・・。そう考えると何だか・・面白くなってきたのだ。だって来年2020年はまさしく庚子の年であり、現在の中国はアメリカとの対立に国内少数民族問題、そして巨額の不良債権など王朝崩壊の兆しがたんまりと出ているではないか。

 なお1840年以前の庚子の年は明王朝や現王朝まで遡らないとこれと言った大事件は無いのだけれど、しかし黄金のブタ年とか何事も良いとこ盗りする中国人相手ゆえ「悪いとこ盗りしたっていいじゃねえか」というのが筆者のスタンスである。さあ、来年が楽しみになってきたな。
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