怖い話が大好きな筆者は稲川淳二なんてプロではなくアマチュア怪談師、それも実話怪談(創作ではなく実際の話)と言うジャンルが大好きで、ニコ生やユーチューブ、ツイキャスなどでこういった番組を探し出しては熱心に視聴してきたのだが、その中で最も好きだった番組が突然終わってしまった。

 それは大阪在住の主婦が提供する番組で、実はこの方は7年前にも1年ほどインターネットラジオを通じて放送しており、当時香港にいた筆者は彼女の軽妙な語り口と心霊現象への深い洞察にすっかり関心してしまい、それで熱心なリスナーになっていたのだ。

 ただその時に彼女は妊娠中であり、出産と育児、それとご自身の病気など諸問題があってしばらく怪談からは遠ざかっていたのだが、それが昨年10月にひょっこり活動を再開し、しかも週に2~3回と以前よりも頻度を増してくれたので筆者は喜んでいたのである。

 ところが半年でまた休止、しかも今回は出産とか病気ではなく「ネタ切れ」という怪談師なら避けられない宿命によるものであり、つまりこれって今後新しい心霊体験をしない限り放送は出来ません!という意味だから、事実上の引退宣言なのである。

 で、筆者はただいま失意の状態にあるのだけど、しかし誰よりも実話怪談に真摯に向き合ってきた彼女ゆえ、こういう終わり方をするのは仕方がないな・・と感心しているのだ。だって実話怪談と銘打っている以上ハナシはホンモノでなければならず、しかし人間そうそう霊体験できるものじゃないからネタはいずれ尽きてしまうのだ。

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だからどの怪談師も自分の実体験を語りつくした後は外部に情報を求めざるを得なくなり、そこそこ売れっ子の怪談師でさえ日々取材に出ざるをえず、しかも50人に聞いて使い物になるのはたった1話だけ・・なんてのが当たり前なため、こうなると誰かがどこかで語った怖い話をパクるしか手が無くなるのだ。

 現在売り出し中の東京と関西の怪談師が正しくそれで、これが怪談マニアの間で波紋を起こしているのだけれど、しかしあちこちの怪談イベントやテレビ番組に出る度に同じ怪談を話すわけも行かないから四の五の言って入れず、さらに活動の幅が広がれば最後の禁じ手、つまり作り話(創作怪談)にならざるを得ないのだ。

 大阪の主婦はホンモノの怪談好きゆえ自分がこうなる事を良しとしなかったのであろう。だからネタ切れですので店じまいします!と宣言したのだが、しかし6年も待ちわびていてやっと再会できたと喜んでいたら、それが半年でお別れ・・というのは何ともやりきれない話だ。

 これが作家やお笑い芸人なら彼らは創作し続けることが出来るから「あっ!こいつイケるな!」と思えば5年10年ずっとファンでいられるけれど、実話怪談の場合はどこかで創作してることに気づいてこちらから見放すか、或いは向こうが怪談界に見切りをつけて消えてしまう宿命なのだ。

 でも・・しかし怪談に興味が無い方には筆者の思いまどトンと判らないだろうから「今でもため息ついてます・・」でお終いにするけど、まあ折角この日記を読んでいただいているのだから、お時間があればこの大阪主婦怪談師の怖い話を聞いていってください。特に7年前の合計10回の放送(1時間とか長い奴)は秀逸です。

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